黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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「……!」
視界がある。視力が戻った。
明るい。ここはどこだろうか。
手も、ある。足も、動かせる。
ほら、大丈夫だったろ?そう自分に言い聞かせる。
死んでない。死んでなんか…!
「……目、覚めたの?」
俺は体を震わす。女の人の声だ。
俺だけじゃない、という安堵感と
なんでここに人がいるのか、という驚愕。
重い体を少し持ち上げ頭を左右に動かす。
後ろの方に誰かいる。
俺と同じくらいの女の子だ。
そして女の子が座っているイスと誰も座っていないイスがそこに存在していた。
この白い空間(といっていいのかも怪しいが)にはそれだけしかなかった。
いや、それでも女の子1人と物が2つという現状は俺にとって唯一の救いと言っても過言ではない。
何せ自分の名前と近辺、基本の動作や知識しか覚えていないのだから。
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