黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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あれから、一回寝て、ここでいう一晩をレナにも黒猫人形にも会わずに明かした。
…今日、言うんだ。俺は卑怯で、臆病者なんだ、って。それなのに、守る、だなんて偽善者っぽいこといってごめん、って、謝るんだ。
階段を、下りる。
…何で昨日、俺はあんなこと言ってしまったのだろうか。
勢いあまって、なんてふざけた言い訳だ。でも俺は、好きで言ったわけでもない。
ただ…今突きつけられている現実というものから逃げようとした。それで人を傷つけた。それだけ。…現実逃避、だな。我ながら情けない。
そんなことを思いながら、一階へと足をつけた。
レナがキッチンにたっている。黒猫人形はそれを楽しそうに見ている。
最近は黒猫人形もここでレナの朝ご飯を食べることが多かった。最初は食べれるとは思ってなかったので2人で驚いた。
「……れ、レナ」
「! おはよ」
レナは俺の方を向いた。
レナはいつもの、無邪気な笑顔で朝の挨拶をした。昨日のことが、なかったかのように。
「起きたのね。朝ご飯、もうすぐできるから、座って待ってて」
「…いや、その前に、言うことがある」
「えー?なによ、急に改まって」
勘違いかもしれない。いや、勘違いであってほしい。
こいつは、誰だ。
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