黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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「……1人に、してくれ」
俺はそういうと自分でつくった部屋へと歩いた。
頭を冷やしたかった。とにかく1人になりたかった。少し考える時間がほしかった。少しほっといてほしかった。少し、ぼーっとしたかった。
部屋につくったベッドに倒れ込む。
…レナに謝りたい。なんてこと言ってしまったんだ俺は…っ!
冷静になったらとんでもない失態をした、と今更思う。
レナは、ちゃんと自分の思いを自分なりに伝えた。だから今、ここにレナがいる。
だが、俺はどうだ?会いたくないからこっちに実体化できない。言いたくないから。確かめたくないから。
“俺は本当にあんたらの子供じゃないのか?”って、確かめることができない。いや、したくない。
もし。もし、確信したなら、今の両親の口からお前は俺達の子供じゃない、と聞いたのなら。
俺は、壊れてしまうかもしれない。
単純だった。ただ、俺は怖かった。
だから何もできない。無造作に当たり散らして、後から気付いて。俺は、無力な、怖がりな、子供だ。大人になった気でいただけだ。
無力で怖がりな俺は。
「…っ、う、あ……っ」
とんだ泣き虫だった。
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