黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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(No.133からです。随分話したな(笑)
“ここから出たい”そんなこと、心の隅で少し思ってただけでそれ以外はもうどうでもよかった。)
「…黒猫人形」
「んー?なぁに、悠哉くん」
もう、どうでもいいや。
俺はそう思った。思ってしまった。
黒猫人形とレナの方を向く。
「必ずしもここから出なきゃいけないのか?ここから出なくてもいいのか…?」
レナは目を反らす。
…同じこと、思ってたのかもしれない。
「…それは…」
「やっぱり、それはだめよ、ユウヤ」
黒猫人形が何か言おうとしたのをレナが止めた。
それが俺には、俺を否定しているように見えた。
「なっ…んで…。だって、レナだって…!!」
「でも、そんなのだめ。ユウヤ…わかってるでしょ?」
「………ねぇ……」
俺が何かを失ったようにまくし立てる様子を、
「わっかんねぇよ!なんでこんな平和なとこからわざわざあんな地獄みてぇなとこにいかなきゃならねぇんだよ!!もどりたくねぇよ!ずっと、レナと過ごしてぇよ!わかんねぇの、お前は!!お姉ちゃんのことどう思ってんだよ、あんな風になっててさぁ!?嫌いなんじゃねぇのかよ!両親だってお前のことどう思ってるかわっかんねぇんだろ!?俺は…俺は…っ!!」
2人はじっとみていた。何も言わずに、ただただ、じっと。
何か言いたげな様子でもなく、哀れんでいる様子でもなく、ただ、ただ。
俺を、見つめていた。
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