黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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〖君は誰かに会いたいかい?〗
「…俺に、会いたい人なんか、いねぇよ」
……もしも。もしもこの世界が俺の全てを分かりきっているのだとすれば、分かるだろう?
ひとりでに心の中で文句を言う。
俺にはもう俺がわかんねぇんだからわかれよ。俺を、俺の心の中を。全部、全部。
〖…君が本当に会いたいと願うなら、誰にだって会える。名前を出さなくても、住所特定しなくても、顔が思い浮かばなくても…自分が知らない相手だとしても、ね?だってこの世界は“想い”さえあれば何だってできるんだから〗
黒猫人形は俺を楽しそうに見てくる。
まるで俺を見透かしているように。
「わかってるんだろ…まぁいいや、レナ」
「え、あ、なに?」
「本当にこれでよかったんだな?」
レナは目を背けた。
「…うん」
レナは嘘をつくのが苦手なのかしらないがわかりやすすぎて何も言えない。
俺はレナの頭をなでる。自分でも何を思ったかはよくわからなかったが。
〖んじゃ、いい雰囲気になったところで僕はどろんすることにするよー。どろんっ〗
「あ、おい、ちょっとまて…っていっても消えるよなぁ…聞きたいことあったのに」
俺はレナの頭にあった手を自分の方へ動かし頭をかく。
レナはすごく幸せそうな顔して
「ありがとう」
そう一言いって、ベッドに倒れ込み、また寝てしまった。
俺はキッチンへと向かい菓子パンを食ったあとおれも寝た。いろいろあったから疲れた。
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