黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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「ねぇ、あの人って…」
レナが口を開く。
『あの人』。ここには支配者的なものがいるらしい。
「わからん。少なくともここにきてからレナとあの人形にしか会ってないし…。あいつを問い詰めればなんか分かるんだろうが、消えちゃうんじゃな…」
「…そもそもここに私たち以外の人と会うことができるの?」
「…やってみるか?」
俺は席をたち、少し広くなっているところに移動する。
「…ほんとにやるの?ひ、人の名前だけじゃ、いっぱい出てくるかもしれないじゃない。どうするの?」
「任せとけって。誰出そっかなぁ」
黒猫人形は“生きる意味”以外ならなんでも出せる、的なことをいっていた。じゃあ人も…ということになるのかならないのか。それを実践してみようじゃないか。
『…えーと。俺の血縁関係で妹にあたる………』
こんな感じだろうか。名前はもちろん、俺との関係、年齢、在住所など思い当たる限りを手を前にだし唱える。
何秒か待ったが一向に何も変わらない。
「…まだ?」
「いや…一応お願い的なものはしたぞ?」
「そう…こんなカオスな世界でも動物とかは出せないようね」
「まぁそんなことだろう」
レナはほおずえをつき欠伸した。
「…そろそろ寝るか」
「うん」
あ、レナがうんっていった…。
そんなことはどうでもいい。
俺とレナはそれぞれ部屋へ向かった。
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