安倍家の案内人 2016-05-17 20:03:37 |
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>>妲妃
……ちっ
(やっと怒りも収まって冷静さを取り戻したかと思えば、アイツとは違う妖の気配を感じてその方へと体を向ける。すると、案の定妖がそれなりの数で門の辺りにいるのが見えて舌を打つ。そして、刀を取り出して鞘から抜き取っては、再び怒りや憎悪が体を支配していくのを感じて、目を瞑り軽く呼吸を整える。この場で、意識を持っていかれたら完全に負けると考えたからだ。「…あの妖……殺してやるっ……」と小さくだが、その言葉からは殺気が満ちておりやがて自身の気配も殺気へと変わっていくだろう。刀を握る手に力を入れるとキシリと悲鳴が聞こえ、地面を蹴って一人で妖を相手に戦い始めて)
>>一
うるさいっ!
(相手の言葉を聞くとさらに、殺気が満ちて双眼が鋭さを増していく。どうして、こうも先代の話をされると心の奥から、言い表せないほどの怒りや憎しみ、悲しみにも似たような感情が出てくるのか分からず、それらを否定することもできずに上記を叫び、二の手の攻撃を仕掛けようとしたが相手は避けて背後に回ろうとしている。背後を取られては厄介だと考えて左足を軸に180度回転しては、右足を軸に変えて相手から距離をとろうと、右足にグッと力を入れて地面を蹴って飛躍ひようとして)
>>颯真
……無茶はするな
(相手が部屋を出ていく瞬間に小さく呟く。相手の身を案じているからなのか、なぜその言葉が出てきたかは分からないが相手にはきっと届いていないだろう。相手が部屋を出ていくと、再び広い和室に一人となり静寂が訪れた。目を伏せると、声が聞こえてくる。それは、嘲笑う声や幼きころから臣下や親族たちからの軽蔑の声、幼き頃は力もなく妖にいじめられたり、よく妖から怪我を受けたりしていた、その妖の声や幼き頃の自分の泣き声、様々な声が聞こえて心の奥から全身を支配する名のない感情がやがて黒い沼のように自分を沈み込むかもしれないとふと思って「……また…一人か」と呟いて)
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