安倍家の案内人 2016-05-17 20:03:37 |
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>>> 一
──ええ、ちょいと其処迄。──どうして此処にいらっしゃるのかしらね、妖さん?
( 肩を露出し、真白な足を曝した特注の着物は夜風が当たり、震え上がる程では無いにしろ肌寒い。元々街中ですら気温は差程高くないのだから、山に入ると更に気温が下がるのは当たり前で。少し厚着をして来れば良かった、と自分の認識の甘さを心の中で叱咤していると、頭上から声を掛けられ。すっと足元ばかり見ていた顔を上げれば、2m近い細身の大男が木の枝に器用に立っているのが見え。場違いながら“差程枝は太くない様だけれど、折れないのかしら?"と不思議そうに首を傾げては、ばっと飛び降りてきた相手の影に数歩後退り。 )
(絡んで頂き有難う御座います!)
>>> 颯真殿
──おやまあ、颯真殿。先程迄蔵に篭っていたと要様からお聞きしましたけれど、頭に埃が…。
( 一人、鼻歌でも歌い出しそうな時に声を掛けられ、身体が飛び上がりそうなのを堪えて冷静を装い言葉を返し。未だバクバクと音を立てる心臓を抑えながら、湯気を立てる茶碗を二つ、お盆に乗せ。本当は仲間内で集まって、と思ったが相手の様子を見る限り、他は未だ何かしら作業をしている様で。以前声を掛けて歩いた時、仕事がひと段落してから、と立て続けに断られた事もあり、先ずはひと段落した風の相手をお茶に誘ってみて。「要様は未だやる事があるそうで、先にお茶でも如何ですか…?あまり煮詰めても、正常な判断がしづらくなってしまうかもしれませんし…。」おずおずと、饅頭とお茶を乗せたお盆を両手で鳩尾辺りに持ち上げて。 )
(素敵だなんて褒め言葉、有難う御座います…!そんなそんな…!真面目で一生懸命な息子さんを甘やかそうとする悪い娘と本体ですが、仲良くして頂けたらと思います!宜しくお願い致します。)
>>> 妲己
──ちょいと其処迄、ね?…もう出会してしまいましたわ、妖さんに…。
( 舗装されていない、然し人が歩く分には問題無い道を月夜を頼りに歩いていれば、頭上からの声に不思議そうに顔を上げて。其処には髪型や着物の着方、目尻の紅等何処か己に似た様子の相手が居るのが見え。幾つか類似点があるとは言え、女性らしく引き締まった体付きや妖艶な色を含んだ整った顔は似ても似つかず、それでも何処か既視感を覚え。ふう、と一息つくと上記を述べながら目を細めて微笑み。流石に自分が主を含め己等が敵対する妖の頂点に居る人物だとは思わず、然し警戒は解かずに「降りてきては如何です?それともお酒はお嫌いで…?」と。 )
(絡んで頂き有難う御座います!)
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