藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
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あ、ああ…さっさと来ねぇ奴の分はねぇぞって伝えとけ。(肩を軽く叩かれるという想定外の出来事に一瞬反応が遅れるも、取り繕うように普段の調子で返し。他のメンバーを呼びに部屋を出ていく彼の後ろ姿を見届けていると、完成間近なカレーの良い香りが鼻先を擽り、我に返ったように鍋に視線を戻して。「…なんだアイツ。いつもは俺に近付きもしねぇくせに」甘口と中辛がミックスしたカレーをゆっくりとかき混ぜながら、誰も居ない空間でポツリと溢す。_正直驚いた、奴の方から触れてくるなんて。己も己で、普段なら自我を貫き通していただろう所で彼の意見に耳を傾けている。妥協のようで悔しい気もするが、そうした事でいつになく柔和な彼の表情が見られるのは何となく嬉しいのも確か。ほんの少しだけ彼との距離が縮まった気がし、思わず頬が緩んでしまいそうになるのを堪えながら、完成したカレーから一旦手を離すと用意された皿にライスを盛り付け始め)
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