藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
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(うとうととしている内に眠りに落ち、やがて夢の中でも彼に会う。眠りを妨げるリアルなインターホンの音にビクリと肩を震わせ瞼を開ければ、見慣れた自室がぼんやりと浮かんで。どのくらい眠っていたのだろう。夢の内容こそ朧気にしか思い出せないが、切なさと愛しさだけが胸に残り、何故だか妙に彼に会いたくなる。胸の辺りに何かつかえているようなもどかしい感覚に無意識に胸元を握り、短く息を逃せばまたも部屋に響く呼び出し音。_身体が怠い。来客に対し居留守を使おうかと思ったが、数回鳴った事が少し引っ掛かり、これ以上鳴らされたら堪らないと渋々重い身体を起こし。モニターで様子を確認するのも億劫な程に身体が怠く、壁を伝うようにしてそのまま玄関に向かうと、不機嫌さや怠さを露にした面持ちで扉を開け。しかし扉の向こうに立っていたのは思いがけない人物で、驚いたように目を見開き言葉を失ってしまい)
─…! …な、んでお前が……
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