藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
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…あー…クソ…、だりィ… (ここなら誰も来ないだろうと、休憩の場に選んだのは資料室。脱力するように椅子に腰掛けると、机に突っ伏し独り言を呟いて。ズキズキと痛む頭に苛立ちながら、こんな時でさえ相手の顔が浮かぶ。_どうせ今頃また体力バカに捕まってんだろうな。 自然と溢れる溜息。“こいつは俺のモノだ、馴れ馴れしくしてんじゃねぇ” 、そんな風に牽制するのは簡単だが、彼はきっとそれを望んでいない。もどかしさで胸の奥がもやもやとして気持ちが悪い。伏せていた上半身を起こし、ペットボトルのキャップを開けた時不意に扉が開き、次いで視界に映ったその姿にドクンと胸が鳴り。隠していたつもりの己の体調に気付いていたらしく、どうやら心配して探しに来てくれたらしい相手。何となく嬉しくなりながらも視線を外してミネラルウォーターを喉に流し込み、憎まれ口を叩き)
…別に大した事ねぇよ。あのバカの声が喧しいから静かな場所で休憩したかっただけだしな。
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