藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
通報 |
わかってんじゃねーか。…仕方ねぇから頭マッサージしてやるよ。リラックスしとけ。(不満げな表情で呟く相手が何だか可愛らしく見え、ふ、と鼻で笑うと相手の背後に回り。普段から頑張り過ぎの相手を少しでも労ってやろうと思い付いたのはヘッドマッサージ。劇団にも中々上手い後輩がおり、休憩時間になどたまに世話になるが、心地よい刺激で気分もリフレッシュされる。何処が何に効くツボだとか細かい事は忘れてしまったが、何度か受けている内に身に付いた感覚を思い出しながら両手で相手の頭を挟むように触れると、力加減に気を付けながら指で解していく。 _…何つぅか変な気分だな、こんな風にこいつに触れんのは。 普段ならば他人の為にこんな事しないし、やろうとも思わない。彼に関しては奪いたいという狂暴な感情の隅に優しくしたいという甘い感情も存在し、今までにない感情や自分の変化に複雑な心境になる。指先に触れる綺麗な黒髪は柔らかく、さらりとして触り心地が良くて。考えてみたらこんな風にじっくりと相手の髪に触れた事などなかった。髪に触れている内に愛しさが込み上げ、マッサージの筈が次第に髪を弄るような動作に変わっていき。ぽつりと唇から零れる声音は自然と柔らかな響きを含んで)
…お前の髪、全然傷んでねぇのな。頭もちっせぇし……なんかムカつく。
トピック検索 |