風人 2016-04-04 04:41:02 |
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小説『サイボーグ009 完結編 GOD’S WAR conclution』。
この全三巻を読むたびになぜ石ノ森章太郎先生に漫画において『天使編』『神々との闘い編』そして『完結編』と三度において天使や神々を題材にしようと思い至ったのか。読むたびに疑問。
『009』のテーマは『仮面ライダー』と同じく悪から生まれた者を倒すに悪から生まれた者だけ。いわば同族殺し。
ただし『009』にはもうひとつテーマがありそれは反戦。
戦争に相対する反戦。
当初の敵はブラックゴースト(黒い幽霊団)、00サイボーグの生みの親でありギルモア博士も00サイボーグたちも所属していたが脱走。
その後は彼らを能力的に越えてるはずの新型00サイボーグやミュートスサイボーグたちを相手にそこに出会いや悲劇が絡み彼らは苦しみ成長していく。
この段階では反戦をテーマにしながらもヒーローもののフォーマットとしては基本であり定番。
だけど石ノ森先生は天使や神々と呼ばれる存在を00サイボーグたちに挑ませる。
戦いも平和も生み出すのは人間であり心、精神、感情や気持ち。
小説『完結編』では人間という肉体の内に善なる存在の天使や神がいると同時にに邪な悪魔もまた存在しひとが死ぬと善なる魂は別次元の彼らの光の星へ、邪な悪なる魂は光の星へたどり着かず地球に幽霊やお化けとして残る。
心の内には常に善悪が時にバランスを取り時にバランスを崩す。
それこそもまた神々であり悪魔になる、神々や悪魔は心や脳にも宿る。
石ノ森先生は精神哲学から神々に至ったのだろうか……。
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