主 2016-02-16 18:38:10 |
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(手に付いた血。それは紛れもない相手のものだ。ぼぅ…っと手を見つめると途端体の内からじわじわと何かが込み上げてくるのを感じる。それが怒りなのか悲しみなのかは頭の悪い己には良く分からない。ただどうにも抑えられないそれは言葉よりも先に涙となる。ぱくぱくと口を動かすが声は鳩となり飛んでいく。何で僕は上手く人と話す事が出来ないんだろう、言葉にできない代わりに相手の服の裾を掴むと首を横に振る。兄さんが怪我したのに平然としていられる訳ない。そんなこと言わないで、と。――…やがて、気持ちが徐々に落ち着いてくると、何時も通りの笑顔を繕い、息を大きく吸い 「…っー……、あんさん、怪我大丈夫でっか~!?はよ家帰らんととんでもない事になりまっせ!」と家へと続く道を指さして。
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