瀬多 千颯 2016-02-09 15:01:34 |
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凜くん〉
…、え。何、嘘だろ…、ない。(帰宅しいつもの様に携帯とタブレットをノートパソコンの隣におこうとカバンを下ろし、愛用のそれを探す。が、いくら探しても、無い。家に忘れて行ったのだろうか?いや、それはない。肌身離さず共に苦楽を過ごしてきた、親友とも言える間柄、一人取り残していくなどと到底ありえない事だ。何処かに落とした?それも到底有り得ないだろう。じゃあ、彼の愛しのタブレットは何処へ?思考を研ぎ澄ませ、寄った店の行動から帰路まで時間を戻す事数分。ハッとしたように目を見開いて時刻に視線をやる。ちょうど五時を過ぎたところだ…)
やべっ、ココロちゃんが待ってる…!!!(彼は焦りを覚えもう1度思い返す。ココロちゃんとは彼が唯一長く愛用しているアプリのキャラクターである。戦闘少女((仮))に登場する女装男子の中でもダントツの人気を誇るココロ(本名、司♂)ちゃんは戦闘力も含め、ツンデレ属性の際立ってキュートなキャラクターなだけあって男女愛される人物と評されている。頑張って至難を乗り越え育て続けた彼女がもし見つからなかったら…悪用、アカウント買収など、嫌な情報がわんさかと脳内に湧き、邪魔をする。2、3度首を横に降って立ち上がると家を出て通った道から寄った店まで順番に探す事にした。時刻は8時をとうに過ぎていた。取り敢えずそのままのデーターで帰って来て欲しいと願いながら最後に寄ったカフェへ。正直、今日はもう来たくなかったがこの際そんな事はどうでもいい。ココロちゃんの無事が最優先だ。戸にはまだオープンと書かれた札がぶら下がっている。)
あの…すいません…探し物、しても…いいですか……(恐る恐る中に入るとちょうど目に入った後ろ姿の店員に声を掛ける。そういえば昼間も若い店員いたな、夜も若い店員を雇ってんのかな、と。振り返った店員に硬直した。昼間の奴だ。そう心中で叫んだ。)
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