… (きょろきょろと、周辺を探し回った。玄関の、影になっている端の隅。濡れた小さな猫が静かに潜んでいたのを、見取る。あ、と声を上げて近づいた。何かにかすったような浅い傷が白い毛並みの上に目立っていたが、致命的な外傷はないようだった。)…いま、した。ねこ。 …いました……!在間さん、 (ばっと振り向いて、安堵を湛えて気の抜けた声で言った。)