神技(シンギ) 2015-12-06 05:44:43 ID:e387a492e |
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<どいたし!!
まぁ、ちょいと無理しただけだぜ。
気にするな!!
「フィリアです!」
「フィリアですよ!」
<何処ぞのヤンデレ家電みたいになってる!?
「主様の人形、フィリアですよ!」
「最近、キャラがブレっブレのフィリアですよ!」
<……これ、大丈夫か…?
「絶対、大丈夫です!!」
<今度は何処ぞの幸運の女神(死神!?
「……まぁ、このくらいで許してあげましょうか」
<おぉ、そか。
「ふふっ、久し振りに二体っきりですね!」
二体なのは、俺が人形化しているから。
<そだな。
最近はすぐ賑やかになるかんな…
「本当ですよ!」
「お陰で主様に寄り添う時間が少なく…」
<いつも俺の傍にいる気がするんだが…?
「主様の心がどこかに行ってるように思えますので、カウントしていません!」
<おおぅ…
そゆことか…
それはごめん…
「わかればよろしいのですよ!」
<あぁ、ありがとう。
フィリアの頭を撫でる。
「ふふっ」
<さて、そろそろ本題に行くか。
「そうですね!」
<……お、思い付かなかったのか…
「この場合は、思い付いた主様が異常なのではないでしょうか…?」
<そかの?
「そうですよ!」
<ふむ、そーなのかー…
「はい、そーなのですよー」
<おぉ、早速食べてるww
「美味しそうですね!」
<俺達も食べるか?
「あるんですか!」
<そろそろ来る。
「えっ…?」
「パンナコッタ作って来たけど、喰うか!?」
<あぁ、待ってたぜ!!
「あ、遊鬼さんですか!」
「それなら、いただきます!」
「おう、喰え喰え!!」
<喰う喰う!!
いっただきぃ!!
「いただk…」
がらっ
「きます」
ぴしゃんっ
「今のは誰ですか!?」
<ちくわ大明神だな!!
「ちくわ大明神だな!!」
「ちくわ大明神!?」
「ちくわ大明神」
ちくわ大明神
<ちくわ大明神。
「ちくわ大明神!!」
「ちくわ大明神!」
「って、何なんですかこれは!?」
「それと、さっきのは誰なんですか!?」
<ちくわ大明神。
「ちくわ大明神!!」
「ちくわ大明神」
ちk…
「貴方ですよ!」
「ちくわ大明神」
「頑なにそれですね!」
「もういいです!」
「嫌でも貴方のことを教えてもらいますよ!」
「主様に改造して頂いたこの能力、受けてみてください!」
「緋恋奏愛《スカーレットラヴァーミュージカル》!!」
そう言うと共にフィリアの周りにありとあらゆる楽器が現れ、彼女の周りをゆっくりと回りながら独りでに演奏して綺麗な旋律を奏でていく。
<あれ?
俺が付けた名前と違うのになってる…?
「私が変えましたから、いいんですよ!」
<ぇ?
変えられたの!?
「愛の力でできました!」
<おぉ、そか。
愛の力か…
「そうです!」
「これこそ、愛の成せる業というものですよ!」
<うん、頑張ったな。
「はい!」
「紅の鎮魂歌《クリムゾンレクイエム》!!」
そう言うとこれまでの演奏とは曲調ががらりと変わり、荒ぶる魂をも静かに鎮める聖歌のような旋律を奏でる。
「さぁ、これで…っていないっ!?」
<さっきの会話中に満足げな顔して還って逝ったぜ。
「何で言ってくれなかったんですか!?」
<何でって…続き見たかったし、フィリアがかわいいこと言うからだぜ。
「えっ…」
「そ、それならそれで言ってくれればいつでも奏でましたのに…」
「それに…かわいいだなんて…」
<かわいいよ、フィリア。
「あぁっ、主様っ!」
そう言ってフィリアが飛び込んで来ると同時に二体の服装が純白のドレスと漆黒のタキシードとなり、曲調が結婚式を彷彿とさせるものに変わる。
そして、フィリアは主の身体にお姫様抱っこの形で収まった。
鳴り響く鐘、教会のように変わる背景。
人形同士の結婚式が始まった。
「ふふっ、これでまた"人形になった主様と結婚式ごっこをする"という夢が叶いました…」
<"ごっこ"でいいのか?
「いいんです」
「主様は人間で、私は人形ですから…」
<そか…
「そんな、気を落とさないでください」
「勘違いしちゃいますよ?」
<俺は構わんぞ?
「主様…」
「いいんですね…?」
「このまま、本当に…」
結婚式を挙げても…
<あぁ。
結婚しよう、フィリア。
「えぇ、主様!!」
そうして、二体は結ばれ末永く幸せに暮らしたとさ。
おしまい。
~HAPPY END5 フィリアとの結婚式~
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