【プロローグ】
ユージ・ルーウィンは夜の高速道路を駆け抜けていた。彼の限界までカスタムされたバイクの最高時速は400km/hをを目前としている。誰も追いつけるものなど居ない、彼は最速の運び屋の、ハズだった。
「なんで……なんで……っ!」
エンジンが悲鳴を上げている。それでもなお、隣には余裕を見せつけて並走する人影があるのだ。それはジェットエンジンを搭載した車でもなく、ロケットブースターで超加速したバイクでもない。
「なんでお前らが出てくるんだよおおおおお!!!!」
翌日、ユージ・ルーウィンは遺体となって発見された。粉々の愛車と一緒に。