トピック主 2015-09-07 13:20:05 ID:3dd3b643f |
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午後の光が徐々に薄らぎ、夕暮れの気配があたりに漂う頃。あなたは、ルベト市の市街地にやってきた。
家々の窓から差し込む光が足元に線を描く中、あなたは、改めてこれからの行く末を思い、ため息を漏らした。
そんなあなたを見かねて、傍らのレオーナが声をかける。
「今日は一日お疲れ様でした。あなたの来た〝アース(地球)〟と、私たちの文明のレベルが近いもので良かったです。
あなたのような〝異界〟から来られた方は過去にもそこそこいらっしゃって、中には言語すら発達していない未開の蛮族や、
極めて高い知性を持つナメクジのような生命体までいるんですよ。ナメクジさんの方は、ここから北にある総合病院で精神科医として勤めているんです。
…人生って、最期まで何か起こるか分からないものですよね」
暫く無言で歩くと、前方に白塗りで無機質なつくりの建物が見えてきた。玄関口まで近づいていくと自動で照明が灯り、夕闇の薄暗がりからあなた達ふたりを照らし出す。
「ここがあなたの住まいです。先刻お渡しした末端を着装していれば、ドアノブを握るだけで鍵が開きます。
くれぐれも紛失しないように気をつけてくださいね。
・・・
それでは、明後日の正午、改めてお迎えにあがります。それまでは市内を自由に出歩いて貰って構いません。困ったことがあったら〝こちら〟まで連絡をください」
あなたは[レオーナの連絡先]を手に入れた
「…色々とご不安のこととは思いますが、私たちが全力でバックアップします。どうか希望を捨てないでください。」
あなたがレオーナの差し出す手を握り、かたく握手を交わすと、彼女は踵を返して薄墨色の闇の中を戻って行った。
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