土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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本書を読むと、さりげない文章で幸せの秘訣が明らかにされています。女房が亭主を信じること、亭主もその信頼を裏切らないこと。まったく平凡ですが、実践するのは至難の業ともいえる秘訣です。でも、水木ご夫妻は、その実践の仕方が変わっているように思えます。その信頼で幸せを招いたともいえるでしょう。これは水木先生からうかがった名言なのですが、幸せにいるには「幸福の値段を下げればよろしい」というのです。一本のバナナを食べて幸福感を味わえるなら、その幸せは100円程度で手に入る安価なものになります。これならだれでも手に入れられます。でも、100万円のダイヤの指輪がないと幸福でないという人がいたら、その人はずいぶん高い値段の幸福を必要としていることになります。そこで私はすかさず、「それじゃあ先生の幸せはどのくらいお安いですか」と訊いたところ、「わたしはね、呼吸できるだけで幸せなんですよ、わははは」と返されました。呼吸できれば、幸せ? それって、ほとんど無料じゃないですか!
武良布枝『ゲゲゲの女房』解説----もしも幸せに値段があるなら 本文 荒俣宏 水木しげる より
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