土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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“彼”は、いち早くリガでのベリファ出現を知った。
“彼”の武器はオーガス‖に代表される“技術”だけではない。“彼”の組織を活用した“情報”の収集と蓄積が、より大きな武器であった。
そう。“彼”は一人ではなかった。
“彼”のいる“基地”には、多くの人員が存在していた。そして、リヴリア、ザーフレン、その他周辺国家に多数の人員を派遣し、情報収集に当たらせていたのだ。
----なるほど……そういう手があった……。
“彼”は、ベリファが複数のシーカーによって操られていることを見抜いていた。それもおそらくは兄弟であることも。血のつながっている者同士ならば、精神波も同調させやすい。
“彼”は、ザーフレンの、いや、この場合は、黒騎士リファールの発想力の大胆さに脱帽せざるを得なかった。
----ナタルマが危ない!
だが、今度は、完全に作動しているベリファとアーマー精鋭部隊が相手だ。その強敵からナタルマを救い出せるか……。
“彼”には、恐怖などという感情はおよそ存在していなかった。もともと“彼”は、戦うために生まれてきた存在だ。いまさら、怖くはなかった。
その“彼”でさえ、この状況は、しばし躊躇するには十分だった。
“彼”は、ためらいを断ち切って、オーガス‖のコクピットに乗り込んだ。
OVA『超時空世紀オーガス02』小説 第三巻 第十章 開戦 本文 より
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