ゴーストバスター 2015-05-10 22:45:45 |
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ビジュアル?…あぁ、よく考えたら鼻から素麺とか確実に女の子から引かれるね。
(寸の間不思議そうに相手の言葉を反芻するも幾分気の抜けた声を漏らしては納得して頷き。素麺芸は酒宴まで御蔵入りだな、と脳裏で考えつつ「凪さん、助言ありがとう」と真面目な表情で礼を告げ。前髪の隙間から覗く相手の瞳に涙が溜まっているのに気付けば、ハッとして舌から手を離し出血はしていないかと心配そうに見つめ「ごめん、痛かったよね」と相手の口元を親指で撫でて。何と無く予想はしていたが遠回しに惚れ薬を飲むよう迫られれば今回だけは流されまいと視線を逸らし「いやいや、飲んだら色々と危ないし。…それに好きな人に見せる表情とか、そんな変わらないよ」と何とか相手の興味を失わせるべく努めて落ち着いた声音で語り。「ま、そうだろうね。…てかそんな馬鹿な事しなくても自分から見せてくれる物好きな子も居るし」確かにそんな愚か者と一夜を共にする等以ての外だろうとケラケラ腹を抱えて笑いつつ共感しては手段なら他にもあると何でも無い様な口振りでさらりと付け加え。情欲の熱に浮かされ嗜虐的趣向から相手の腕を縛り上げたは良いものの、段々と鮮明になって来る視界に入ったのは何やら複雑な色が滲む表情で。「……凪さんは縛られるの好きじゃなさそうだね。無理矢理ヤっても楽しくないし…やっぱり優しく愛でる方にしようかな」視線を伏せて静かな声音にて呟き落としては相手の腕を拘束しているネクタイの結び目を解き、圧迫されて仄かに赤く染る箇所を労わる様に指先で撫でつつ眉尻下げ笑って唇が触れ合うだけのキスを落とし。「えっ、ホントに? 兄貴大喜びだよ、きっと」お菓子を送ってくれるとの言葉に遠慮する素振りも無く、しかし驚いた様子で相手を見ては早速手近にあったメモ用紙とペンを手に取り兄の住所をさらさらと書き出し。相手にそのメモを差し出すついでにある事を思い出せば耳元に唇を寄せ「…俺と兄貴、好みのタイプ似てるからさ。口説かれないように気を付けてね」と悪戯めかして囁き。次いで告げられた”止めてあげる”とは小悪魔めいた言動についてだろうか。しかしながら時に誘惑的で時に可愛らしい仕草や言葉は相手の魅力の一部だと思っている為「止めなくても良いよ。凪さんにだったら翻弄されるのも悪くない」と朗らかに思うままを告げて。悔しげな表情で此方へ視線向けられるもどこ吹く風といった様相で鼻先で一笑し「…そんなに期待してたんだ? じゃあさ、その中…もしかして勝負下着だったりする?」不機嫌そうな相手とは反してお気楽な様子でミニスカートの裾を人差し指でくい、と僅かに持ち上げれば下も女性物なのかと揶揄混じりに尋ね。相手の腕の中で撫でられる心地良さについ夢の世界へ誘われそうになり、密かに自分の頬を引っ張って眠気を払いつつ相手の言葉を聞けば「…そうなんだ。じゃあ凪さんはどんな動物が好きなの?」と素朴な疑問を投げ掛けて。付け足された言葉に意表を突かれて目を丸くするも、嬉しさと面映さが相俟った感情を持て余して僅かに顔を赤くしては「一番、か…ありがとう。…駄犬だけど忠犬だからね、きびだんごくれたら何処にでも着いて行っちゃうよ」と照れ臭さを誤魔化す様に軽口叩き。先程から酒を煽っているにも関わらず酔っている様子が見られない相手の姿に中々の酒豪だと感服しつつ、まるで語り部の如く滔々と返答を紡ぎ出す声に聞き入り。無意識の内に煙草へと手を伸ばして唇で食むも灯火はせず、暫しぼんやりと相手の答えについて考察すれば「うーん…それなら和睦あたりが妥当なんじゃないですかねぇ、先生」なんて冗談めかしながらも静穏な声音で返し。相手の演技に拗ねた表情を作り顔を背けていたが、吐息と共に零された呟きを聞いては「いや、俺も大人げなかった、し。……寂しがってるのはこっちだけなのかなぁ、って思ったらさ」とポツリと胸中を吐き出し。徐々に白んでゆくであろう薄紺の空から意識を逸らす様に相手を抱き寄せ「…凪さんと出逢えて良かったよ」なんて小さな笑みを浮かべて囁き)
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