主 2015-05-01 20:14:43 |
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>鹿実
(相手の唇が自分の手に——正確には手に持った林檎に寄せられると無意識にそちらへ視線が引っ張られ。果実を齧って嚥下する、たったそれだけの動作さえ彼が行うと蠱惑的な光景に映りまばたきもせずじっと見入るが、直後果汁に濡れた唇が紡ぐのは可愛らしいだけの中身も実りもない会話で。笑みはそのまま密かに溜め息に似た吐息を零し、空虚なやりとりを拒むかの如く今度は手ずから彼の口へ林檎を押し当て「それはだめ。林檎は俺が世界で一番好きなものの名前だから、君のようなわるい子にはあげられないよ」相手が1歩距離を置くならこちらは2歩。そんな風に相手から身を離すような言葉を選んで口にすると空いている手で手首を伝う果汁を掬い、べったりとこびりつくような甘さに一層笑みを綻ばせ)
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