主 2015-05-01 20:14:43 |
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>亜李さん
ん、…はあい。
(陶器のカップに指先が触れる前にそれを掠め取ってゆく青白い手と、湯気が立ち上る中身に息を吹き掛ける相手にゆっくりと顔を上げてはそれを見つめ、何でもない動作にも関わらず不思議と優雅に見え見入ってしまう。差し出されたカップを両手で受け取ると小さく、しかし聞き分けよく言葉を返すと先程の相手を真似るように二、三回程息を吹き掛けた後にカップの縁に唇を付けて控え目に一口飲み。少し熱いが身体を心から温めていく癖の少ない飲みやすい紅茶の味に、ほうと息を漏らして。唱えるように紡がれる言葉にカップから口を離すと「…わたしは、亜李さんの。」自分の存在意義が相手にあることに酷く安心感を抱いており、反芻するように呟いて。食事をそっちのけで自分を見てばかりの相手に「…一緒に、たべたい。」と控えめに伝えると眼鏡のレンズ越しに目線を合わせようとして。)
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