病愛【BL,NL：指名式】

＞朝比奈

(相手が来るまでの間特に滴り落ちる血液を掌に抱えると言う事をしなかったせいで真白な布団とシーツには赤い染みがポツリポツリとその跡を残していて、痛くないと言えば嘘になるがジンジンとする痛みですら相手が傍にいると全くと言って良いほどに意識が向かず。ノックの後に扉が開けば其方へ顔を向けそこに居る姿に満足を得るように紫色の隈が滲む瞳を細めてから「――アンタが悪いんだ。　俺の事をこんなので無理矢理眠らせるから」開口一番に紡ぐのは相手の事を非難するような言葉でもあり、それが治療の一つだとしても強制的な睡眠を自分は拒否すると言う物腰でベェと舌を出しながら何とも生意気に言葉を返し。「夢の中にアンタが居なかった。――だから俺はもう眠らない」ク、と自嘲を堪えるように短く喉を鳴らしてから先ほど直ぐに目を覚ます切欠である自分が見た夢を相手へ伝える様に何処か我儘を紡ぐようなそんな雰囲気の有るストレートな言葉で向けて。その間だってボタボタと血を滴らせる腕を相手へと向ければ相手が止血をしやすい様にと言う配慮のつもりなのか大人しくして)