_____xx 2015-04-23 19:12:42 |
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>朔夜 ( >99 )
……うん、君の事信じるよ。
( ふと伸びてきたその手は相手が殺人鬼だという事を忘れてしまう様な、優しい掌だった。自身の髪が柔らかく揺れるのを感じながら緩く瞬きをしては上記を口に離れる手を名残り惜しむ様な視線で見送り。死.にたいのに死.ねない人間と、殺人鬼。まるで映画の様な、不思議な物語が始まったなと考えながら相手の後を付いて歩く。TVのニュースで見る様な恐ろしい形相の殺人鬼とは違い、先程から自身のペースに合わせて歩いてくれる相手にはそんな狂気的なものは感じなかった。きっと周りのものは彼が捕まった時に揃って「そんな事をするような者には見えなかった。」などと口にするのだろう。怪しまれぬ様に、決して周りに悟られぬ様に、血塗れの服が見えない様に注意しながら歩く。前を歩く彼も同じ様に気を張り詰めているのだろうななどの考えは辿り着いた先で相手が小さな息を漏らした姿を見て確信した。ガチャ、と鈍い音を立てて開く扉の先が眩しく光る。何年ぶりに成るのだろう、人の家に入るのは。もう随分と1人の時間を過ごしたから、人の家に入る時の単純な挨拶でさえ忘れてしまいそうだった。「…お邪魔します」遠慮がちな声を落としては玄関へ足を踏み入れる、相手の微笑みを視界に写しては自身にとって生まれて初めての”意味のある毎日”がこれから始まるのだとつられる様に笑みを零し )
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