◇ 2015-04-07 15:10:11 |
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(シャワーを浴び終え、タオルで手早く水気を取っただけの身体はまさに一糸纏わぬ姿である。数年は整えていないであろう伸びっぱなしの黒髪から落ちる水滴がフローリングの床を濡らす事も厭わず、何処か蹌踉たる足取りにて自室へと足を運び、俯せの体勢に為るよう寝具に倒れ込む。布団に程良く沈む身体は水分を含んだ泥のように重く、途切れそうになる意識を手離したなら容易く溶け落ちてしまうかのようで。身体を洗うという行為が此れほどまでに億劫で体力を消費するものだと実感したのは初めてだろう、まるで数時間歩き続けた後であるかのような不思議な気怠さが身体に圧し掛かっており、無意識のうちに肺に溜まった空気を吐き出して。己自身の呼吸の音が閑静な室内に零れて広がり、真っ暗な闇の中に吸い込まれてゆく。湯の熱が伝わり一時的に火照りを持っていた身体はシーツと室内の空気によって冷まされ肌寒さを感じ、小さく身震いをすると自らの身体に敷かれていた掛布団を引っ張り巻きつけるように纏う。使い古してすっかり頭部の型が残った低反発のマクラに片側の頬を押し付けながら、ただ視界に入り込んでくる真っ白な壁を見据えて。数分が経った頃、ありもしない模様が蠢くような幻視へと移り変わるとそれを遮断すべく薄い瞼を伏せて。寄せては返す波のように心地良く忍び寄ってくる睡魔に、ゆっくりゆっくりと意識を明け渡して彼女にとっての現世へと堕ちてゆく。)
( ちょっと短め。15分ならこれくらいの長さでいいでしょう、屹度。 )
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