n 2015-03-30 20:13:58 |
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な、に……(随分怖い声色で此方の冗談に冷たく返してきたと思えば思い切り缶を傾けた彼が、力強いてのひらと指で後頭部を掴んで彼のほうを向かせようとしてくる。余りに急のことだから、からだごと彼に凭れそうになって、焦って手をソファについたら迫って来る彼の真剣で色っぽい顔、目が深い色に光ってる。真正面からまともに見たって格好良いのに、こんな男前がこんなダメ男もとい自分と同居生活を送っているなんて。余裕でもっと良い暮らしが出来るであろう彼と自分を引き合わせてくれた神様は案外公平なのかも知れない。目は逸らさずに必死に見詰め返すけれど、睫毛は震えるし、ぐっと息を詰めた喉が鳴りそう。こういうときの彼の表情が凄く好きで、だけど目蓋に焼き付けられるほどに見詰めるのは苦しくて(何故だろう?)とても無理だ、もしかしたらいま凄く情けない顔してるかも。否応無く心拍数が上がって、後頭部から伝わる彼の手の熱がじわじわ全身を廻り胸を締め付けてくるようで、どうしよう、パニックになりそうだ、内心焦っているのに未だどこか片隅に冷静な自分も居て。あ、煙草の灰が落ちたかもしれない。身じろぎして煙草を逆の手に持ち替え、ああまだそんな余裕があったのかとぼんやり思う。だけどついに耐え切れなくなって負けを認める気持ちでそっと目を伏せる、とちょうどのタイミングで下唇が彼のしっとりした唇に包まれる。意外にもやさしいキスが繰り返されるのをされるがままに受け止めていると、心なし口付けが深く熱を帯びてきて、「ふ」と鼻から湿っぽい喘ぎが漏れ。もっと深く交わりたくてもどかしくて急いた心、自然と切なく眉間に皺が寄る感じ。アルコールが染みたような唇とその匂いにくらりとする。これ以上は駄目だと理性が正常に作動している間にギブアップしてしまおうと、酸素補給とそれから声を上げようと薄く開いた唇で、思わず彼の柔らかな上唇を吸ってしまうのと。彼から離れるために上げた手は着地点を間違い、彼の輪郭と首筋を撫でてしまう、それらが事実で、些か無理な姿勢のまま、濡れた舌で彼の唇に挿し込むみたいに舐めて)
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