寒軽ちゃん 2015-02-23 00:16:49 |
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次の日、日曜の遅い朝食のあと。
夏の名残の明るい日差しの戸外とは裏腹に、家の中には重苦しい気分が影を差していた。
昨日まであの前庭にはクロのしっぽを振る姿があった。今は動くものはなく、ただ小鳥のさえずりが聞こえた。
「ちゃんと葬ってくれたかしら?」
母親が呟いた。
「昨日はもう遅かったから、今日焼いて埋葬するって言っていたじゃないか。」
そう答えたものの、父は結局寺に電話をかけてみることにした。
「もう、埋葬は済みましたでしょうか。ええ、はい……ああ、そうですか」
受話器を置いた父はほっとしたように言った。
「もう埋葬は終わったそうだよ。お骨にして共同墓地に埋めたって。
住職の娘さんが、『こんなに穏やかな顔をしているなんて、かわいがられていたんだね』って言っていたって。」
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