荒鷲雛子 2015-02-10 11:42:21 |
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あるところに物を愛した天才女科学者が一人いました。
彼女が生きた80年という長い年月の中で、一途な彼女が愛したの1つの円柱形ポストでした。
彼女は毎日の様にポストに恋文を投函し続けました。
彼女が老いていくにつれ円柱形ポストも次第に錆びて色褪せていきました。
彼女の歳が50歳過ぎたそんなある日の事です。
彼女の愛した円柱形ポストは彼女が留守中に取り下げられてしまって、新しい四角形のポストに変わっていたのです。
「そんな、私の愛した彼を返して!!」
ポストを失った彼女は何日も泣き続けました。
何日も泣き続けた彼女は1つの答えに辿り着きました。
「そうだわ、きっとこの子は私と彼の子どもなんだわ」
そう思った彼女はポストを人間に変える研究を始めました。
それから3年、彼女はポストを人間に変える実験に成功しました。
「オギャア、オギャア!!」
ポスト頭を持つ赤い肌をした人造人間『ポスト-01』
「ふふふ、あなたの名前は保住(ほす)塔一郎(とういちろう)よ」
赤ん坊は科学者の息子として日本国籍を得ました。
物を生物に変える研究論文を世に発表した彼女は念願だったノーベル賞を受賞しました。
物を生物に変える機械によって様々な人造人間が産まれました。
そう、彼女の機械が世界を変えたのです。
しかし、彼女の研究が世界にもたらしたの世界の発展ではなく破滅でした。
「や~いポスト頭!!ポスト頭!!」
「お前の悪口書いた手紙を食わせてやんよ!!」
「嫌だ!!やめて!!苛めないで!!」
頭が物だからという理由だけで人造人間達は差別の対象にされました。
「・・・ニンゲンタチヲユルスナ・・・ニンゲンタチ二フクシュウヲ・・」
数少ない人造人間たちの多くは人間を恨み復讐を考え悪の組織を設立してこの世界を支配しようと考えました。
そして僕も人間を恨み、怪人ポストヘッドとして悪の組織に加入しました。
ポストヘッドを別の場所に派遣している間に悪の組織は自分たちを生み出した母に復讐を考え母を襲いました。
「か、母さん!?」
その情報を聞いて彼が研究所に戻った頃には時すでに遅く、母は傷つき倒れていました。
「私は貴方にこんな事して欲しくて産んだわけじゃないわ、貴方に私の過ちを救って欲しい」
「僕には無理だ!!だって僕はただのポスト人間だ」
「大丈夫よ、ポストは人々の想いがこもった手紙を大事に守るのが仕事だから・・・あなたにもその力が備わっているはずよ」
母はそういうと僕の投函口に『頑張れ、ポストマン』と書いた手紙を一枚投函し力尽きました。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
初めて自分宛の応援ハガキを口にした僕には力がみなぎってきました。
母を失ったポストヘッドは人造人間たちを倒すべく次々と得意のヘッドパッドをぶちかましました。
そして、角は潰れていつしかポストヘッドの頭は丸みを帯び円柱形ポストに変化しました。
「クッ・・ポストヘッド・・ウラギッタナ・・・」
「僕は・・いや、俺は正義の味方ポストマンだっ!!」
ポストマンの活躍によって日本は再び平和が訪れたのであった。
「・・・・という感動的な誕生秘話があってだなぁ、ひっく」
おでん屋の屋台で日本酒の一升瓶を抱いては語るポスト頭の郵便配達員の姿がある。
「おいおい旦那ぁ、酔っ払って顔が真っ赤だぜ?」
「うるせぇ!!顔が赤いのは生まれつきだ!!」
そう、ここまでの話は全て保住塔一郎が作った酔っ払いの戯言であった。
「俺はいつか本物のヒーローになるんだ!!・・・うっぷ、オロロロ」
「大丈夫かい、旦那ぁ?」
口からハガキを吐き出しながらおでん屋の親父に背中を撫でて貰った。
この物語はヒーローを目指すポスト頭の郵便配達員、保住塔一郎のサクセスストーリーである。
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