一応、ね。俺、礼の料理も食べてみたいしー (湯がかかったところに冷水を流しながら、ちらりと相手を横目で見てからかうように笑って。その後の相手の申し出には、「頼もうかな。なんか余計なこと思い出しちゃってさ」と、冷やした手をタオルで拭いながらシンクにもたれて。ふとした瞬間に別れた婚約者のことを思い出すのは、もう何度目だろうか。赤くなった手をぼんやり見ながら溜息を吐き)