主 2015-01-26 21:09:51 |
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[序章]
とある片田舎の商店街に変わった喫茶店があった。看板には「明けの明星」とだけ書かれていて、開店時間は金曜日の夜中2時から朝方5時までのみ。
そんな辺鄙な喫茶店を営んでいたお爺さんが、死んだ。彼の後を継ぐという大義名分の元、都会での就職活動に失敗し働き口がないまま大学を卒業した彼の孫を名乗る人間が越してくる。
彼も、喫茶店に通う人間たちも、皆一様にある悩みを抱えていた。人には見えないものが見える「見え過ぎる目」を持った人々。自分にしか見えない世界。見え過ぎてしまったがために起きてしまった悲劇。
見えないふりをする人々が、週末の夜中にだけほんのちょっと羽目を外す場所。そんな喫茶店で、彼らは何を見つけるのだろうか。
Keyword<明けの明星>
あるお爺さんが「見え過ぎる目」を持った友人のために開いた喫茶店。次第に同じような人間が集まるたまり場となる。内装はアンティーク調の家具が落ち着いた雰囲気を醸し出しており、随所に彼の趣味だった天文関連の品々が置かれている。
Keyword<見え過ぎる目>
自分にしか見えないもの、他人には見えないものを見てしまう目を持つ者。同じように見え過ぎる目を持つ者同士であっても同じ世界は見えず、一生自分にしか見えない世界で生きていく。その特性から多くは過去に悲しい思い出を抱えている。
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