xxx 2014-12-29 00:12:16 |
|
通報 |
>桐崎
(大人びた振る舞いで相手が去った後、まだ相手に握られた感触の残る腕を見てはただの一瞬触れられただけなのにこんなにも胸を高鳴らせる自分に腹が立つ。
辛そうな相手の顔。本当の事を言ってしまおうかと思ったが、そうしたらきっと優しい相手は許してくれて自分はそれに甘えてしまう。
それは許されない事なのだと卑屈になっては、ショボンとする妹と戸惑う母を家の中に入るよう促して母と妹に暖かい御茶を淹れた後、自分は自室に籠もって携帯を開く。
未だに続く兄からの着信。流石に無視出来なくなっては《返信しなくて御免。暫く忙しくて連絡出来なくなる。俺は元気だからさ、あんたは自分自身を大切にしてやって》と散々兄を振り回しておいて身勝手なメールを送り。
ダラリと携帯を下ろしてはふと先程妹に渡された相手が買ってくれたというチーズケーキを手に取る。
食欲などなかった筈なのに口に含めばすんなり胃袋に収まり、どうしようもなく相手を愛してしまっていることを思い知らされては額を押さえ“自分の記憶も操作できたらどんなに楽だろうか”と自嘲の笑みを零して。
(翌日早朝、二階へ降りると既に妹が台所でなにやらしており覗いてみると可愛らしいお弁当を使い捨て弁当箱で作っていて『繿君に。迷惑かと思ったけどコンビニ弁当よりこっちのが良いでしょ?それにタッパーも受け取りに行こうと思って』と。
へぇ、と気にしないようにするも少し引っ掛かりを覚えてはチラと妹を見て。
「………もしかして態とタッパーに入れて渡した?」
『…な、なんのこと?そ、それより兄さんの弁当もあるのよ。休憩の時食べてね!』
「……ありがとう。…で、それ渡しに行くのか?」
『う、うん。一応さっきメールはしたよ。……でもやっぱり迷惑かな』
(不安そうにする妹に“あー相手が好きなんだな”と悟り、複雑な気持ちで妹の頭を撫でては「大丈夫、ナツの弁当が嬉しくない訳ないから」と微笑み、自分の弁当を受け取ると早めにバイト先へ向かって。
勿論、父親がすぐ近くのビジネスホテルに泊まっていて、相手と関わりがあるなど知らずに。
| トピック検索 |