xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(翌日目を覚ますと椅子に座って眠る兄の姿が目に入り自分がベッドを独占してしまったのかと申し訳なくなる。
いつもは嫌でも引っ付いてくる癖にと眉を寄せつつ朝の身支度を済ませては兄が用意してくれた服に袖を通してまだ寝息をたてる兄に顔を近づけ。
こうして眠っていると本当に相手にそっくりで、知らずのうちに兄の頬に手を伸ばしては唇に口付けようとするも寸でのところで身を引く。
兄が傍にいてくれる、なのに何故こんなにも空虚で胸が痛いのか。
昨日までは相手を思っても何とも無かったのに…。
それが能力の効果が段々薄れているからだとは知らず、ただ変な夢を見たからだと軽く考えては口煩い兄が起きる前に一人街へと出て。
(人気の少ない住宅街、子供たちが公園ではしゃぐ声を聞きながら目的もなくブラついては何となく自分の能力の事を考える。
緊急を要する場合にしか使わなくなった能力。
黙っていればただの“人間”で居られる。が、どんなに隠そうと“普通”ではない。
散々相手を“人間だ”だの“人間じゃない”だの認めたり愚弄したりを繰り返してきたがそんな事言える立場ではなかったなと自嘲の笑みを漏らす。
こんな悲観的になるのも突如現れた父の所為だと八つ当たっては足元の小石を軽く蹴り飛ばす。
その時、後方からはしゃいでいた筈の少年の泣き声が聞こえ振り返ってみれば質の悪いチンピラ達に『糞餓鬼が!』と絡まれていて。
どうやら偶々公園でたむろしていたチンピラに少年が投げたボールがあたってスーツが汚れてしまい、それにキレているようで。
少年達はまだ小学校低学年。どんだけ大人げないというか餓鬼なんだと呆れつつ迷わず引き返してそちらに向かっては少年達を背に男達との間に割って入り「もう大丈夫だから気をつけておうちに帰りな」と泣きべそをかく少年達に笑顔を向けその場を立ち去らせ。
『勝手なことしてんじゃねえよ。それともてめぇスーツ弁償できんのか?』
「…………」
(いちゃもんをつけてくるチンピラに内心“何行ってんだ此奴…”と馬鹿にしつつ、人数的にも大事にはしたくなかったため財布から数枚万札を出すとチンピラの手を取って渡し「クリーニング代、これで足りますよね」と一言言い残しさっさとその場を去ろうとして。
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