xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(切なげに笑む相手の声が耳に入ってからそれを理解するまでさほど時間は掛からなかった。
自分も、同じ事を考えていたから。
相手をこれ以上傷付けないためには離れるのが最善なのだと。
謝りたいこと、言いたいことは沢山あった。
しかしそれを声にするだけの余力は心身ともに残されておらず僅かに瞳を潤ませながら小さく微笑み「…分かった。……ありがとう」とだけ告げて。
それでも最後に少しだけ相手に触れたいと甘えが生まれゆっくりと愛しい相手の銀髪に手を伸ばす。
あと少し、毛先に僅かに触れたところでガラリと病室の扉が開かれては看護士が奇声を上げ。
『何してるの、二人とも!!!……桐崎くんはまだ絶対安静だって言ったでしょ?あなた屋上から落ちたのよ!』
(叱りつける看護士の“屋上から落ちた”という言葉に相手が落ちていく光景がフラッシュバックしてはビクリと過剰に震え、看護士がしまったという顔をして咳払いして『…兎に角、包帯替えるから自分のベッドに戻りなさい。すごく身体痛むはずよ。無理はしないで』と相手をベッドに座らせカーテンを閉ざす。
服を脱ぎ包帯を巻く布が擦れる音がやけに大きく聞こえ静かに涙を流してはそのままそっっと病室を離れて二度と戻ることはなく…。
(翌日、別の病室で寝かせて貰い無理を言って相手よりも大分早く退院させて貰うと一人で寮に戻り荷物をまとめては早々に寮の退去手続きを済ませ学校の敷地を出る。
強がりが潰えてしまう前に…未練がこれ以上溢れてしまわないように……。
相手が近付かないんじゃない。自分から離れる。…そのほうが傷が浅く済む、気がするからと振り返ること無くただ足を前に進めて。
(電車を乗り継ぎ誰にも告げずに来た小さなアパート。
卒業までの少しの間、暫く此処で暮らそうと。
バイトに行くのに不便になるが相手の顔を合わせる機会は格段に減る。
心配してくれた兄に罪悪感はあるが誰にも迷惑をかけないためにはこれがいいのだと言い聞かせ。
(その頃、相手の病室には青年がプリンをみやげに見舞いに来ていて『ねえねえ何かあったら何でも言ってね!リハビリも付き合うから!』と笑顔で話し掛けていて。
そんな時、病室の扉が開かれては妹、ナツが現れ小さく微笑み相手のベッドに近付き。
『久しぶり。…大怪我したってハナから聞いて心配になって来ちゃった。…前より痩せた?』
(詳しくは事情を知らない妹は心配げに相手を見ながら笑顔で振る舞い北海道土産を渡すも、途端に不安げな表情をあらわにして『……兄さんと連絡全然取れないの。携帯は壊れて解約しちゃったみたいで……、折角来たのに退院してるなんて…』と涙を流し。
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