風人 2014-11-30 06:00:58 |
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『輝天炎上』での天馬くんと美智さんの再会は何を意味するのか。
たんに再会だけではないのは『肖像』での田口先生と美智さんの治療や愚痴を兼ねたいきさつからでもわかる。田口先生は美智さんの内にすみれを見ている。あるいは見ることができた。
なら天馬くんにとっては?
医学生として初めて触れた患者が高原美智であった。過去への邂逅ではない何かを彼に託すために高原美智さんは二年もの間生きていたと思われる。
『肖像』ではおおざっぱにしか描写されてないのを『輝天炎上』では天馬くんを通して事細かに描写されている。
田口先生が大人としてやらなければならないことが多くあり田口先生の物語にとっては美智さんは一患者。忙しいなか毎週のように治療の具合や愚痴を聞いてカルテに記す。
だけど天涯孤独の天馬くんには数少ない家族同然な人物。そのぶん情や気持ちがある。
しかし将来、医者になる上で何が必要かというのも美智さんが亡くなった直後に田口先生や田口先生が記したカルテを通して問われる。
患者が延命治療を望んでいないというのもある現実。
『輝天炎上』で天馬くんと美智さんの場面は決して長くはない。むしろ短いけど中身は濃い方。
涙を誘う場面のひとつ。
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