土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
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人は平凡なのだ。ニュータイプでも人全体の問題であるのなら、平凡な現れ方であるべきだ。ルロイにしても、ニュータイプとしての能力があるとフラナガン機関のチェックで判定されたものの、自分が超能力者であるなどと思っていなかった。元来、画家志望の彼は芸術家としてのセンスが人並み以上であるだろうという自負はあった。それに健康のための体操を五年ほど続け、彼の中では共存し得た。情熱家であり冷静な哲学者的要素もあると信じていた。それだけである。その彼の感性は、シャアの素顔を見て正確に納得する。
“人はニュータイプたり得る!”
シャアの金髪がもう少し茶色がかっていたり、眉間の傷がもっと鼻茎(びけい)にかかっていたりしたら、ルロイとてそうは感じなかったかも知れない。が、人との係わりあいというのはこういうものだろう。ルロイの画家としてのセンスの中に古代後期の芸術家ミケランジェロに心酔するものがあった。
“ダヴィデの像から力を抜いた平凡人の姿こそ、シャア中佐ではないのだろうか?”その直観はルロイにとって絶対的裏付けであった。
アニメ『機動戦士ガンダム』小説 第三巻 PART18 ドズル・ザビ 本文 ルロイ・ギリアム より
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