土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
|
通報 |
<“ボルテール”は後ろから支援だけしていろ!いいな?前に出るなよ!死ぬぞ>
それを聞きながらディアッカはひそかに笑いをこらえる。
自分だって、アイツらの力を認めているくせに。
アスラン、キラ----どちらもけっして敵に回したくない相手だ。だが戦って勝てないからではない。
ディアッカはあらためて、自分の属する勢力に対して疑念をおぼえる。“エターナル”にいるのが本物のラクス・クラインであることは間違いない。アスランとキラがいるのに、ラクスが贋者(にせもの)であるはずがないのだ。それだけで議長は自分たちにひとつ、大きな嘘をついている。そしてディアッカの見るところ、これほど大きな嘘をつくような人間が、嘘をひとつですませることなどまずありえない。
“デスティニープラン”にしても、ディアッカにはとうてい受け入れられない。遺伝子なんかでわかるのは、その人間の生まれ持った能力だけだ。そんなモノで人間の価値は計れない。そのことを彼はかつて、自分たちより能力的に劣ったなナチュラルの少女に教えられていた。
----まさか、彼女も来ているんだろうか、ここに?
不安が心をかすめた。
アニメ『機動戦士ガンダムSEED Destiny』小説 第五巻 選ばれた未来 本文 イザーク・ジュール ディアッカ・エルスマン より
| トピック検索 |