土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
通報 |
「“ミネルバ”を堕とせとのご命令は、最後まで私が守ります」
ユウナは唖然と目を見ひらく。ようやくトダカの意志に気づいたようだ。トダカは彼を睨みながら、さらにたたみかけた。
「艦、および将兵を失った責任も、すべて私が」
「え?」
間近で見るユウナの目に。ちらと計算高い色がよぎったのをトダカは見逃さなかった。同時にユウナの方も、こちらの顔に浮かんだ嫌悪に気づいたのだろう。その表情に怯えが混じる。死を覚悟した者を押さえつけるには、権威と建前では不十分だ。
だがトダカは相手を殴りたい気持ちを押し殺し、その体を乱暴にドアの方向へ押しやるにとどめた。
「これでオーブの勇猛も、世界じゅうに轟くことでありましょう!」
「ひいいっ!」
捨ゼリフとともに突き飛ばされたユウナは、踏みとどまることもできずに盛大にしりもちをつく。背後にいた将兵は誰一人として彼を受け止めようとせず、むしろさりげなくよけた。
アニメ『機動戦士ガンダムSEED Destiny』小説 弟三巻 本文 ユウナ・ロマ・セイラン トダカ一佐 より
トピック検索 |