土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
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「……もう少し、泣かせて。お願い……」
篠田の胸で、きららがつぶやく。
「いいよ。こんな胸でよかったら、いくらでも貸してあげるよ」
篠田は、そっときららの肩を抱いてやった。
その肩は、ひどくか細く、小さく震えている。
-----かわいそうに。一人でずっと悩んでたんだ。誰にも相談できなくて、ずっと一人で……
篠田の心に、怒りにも似た感情がわきあがってきていた。
もし、両方の世界の春野きららを、こんなつらい目にあわせているやつがいるとしたら、そいつは絶対に許せない。
人間のか弱い夢を取り上げて、喜んでいるようなやつがいるとしたら……
いや、きっといるはずだ。
この世界のどこかに、ひ弱な人間たちを苦しめて、嘲笑ってる邪悪な者が。
許せない……
アニメ『絶対無敵ライジンオー』小説版 中巻 本文 篠田俊太郎 春野きらら より
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