聖奈 2014-08-14 11:22:49 |
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「ふぅ....」
吹き抜ける風を全身に受け止め、小さく息を吐く。
今は真夏。虫さえ茹だる猛暑の中、私は買い物袋を片手に一人で歩いていた。
たまにすれ違う人は、それぞれに目的を持って動いているだろう。
少し前にすれ違った男女は、きっと今夜行われる花火大会の場所取りに。
今すれ違ったばかりの兄弟は、友達の家にお呼ばれか。小さな袋にたくさんの玩具をつめていた。
足取りも軽く、楽しみにしている事間違いないだろう。
ふと微笑ましく思い、頬が緩む。
次の瞬間には暑さに微笑みさえも溶かされ、険しい表情に戻っていく。
「暑....」
これで今年は何度目か。
数える事もままならないほど呟いた言葉を、私はまたも口にした。
空を仰いで汗を流す。
ぎらぎらと照りつける太陽が、今はとてつもなく恨めしい。
眩しさに耐えかねて視線をおとし、陽炎の揺らめく道をただひたすらとぼとぼと歩く。
熱中症で倒れても、文句の言えないこの気温。
どうにかしてほしいものだと考えながら、私は本日二度目のため息を吐いた。
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