ハナミズキ 2014-07-29 20:56:35 |
通報 |
サイに冷たく突き放されたあの日から、サナの時間は止まったままだった。
パソコンのスイッチさえ入れていない。
入れてしまえばサイのことを思い出し、つい姿を探してしまうと思っていたから。
春になり、サナは3年生になった。
宿題で提出するためのレポートに必要な資料を、ネットで探さなければいけない。
スイッチを入れると、マメからスカイプにメッセージが入っていた。
「大学受かったぞー!」
みるとマメがスカイプに居るではないか。
サナが居る事に気が付いたマメは、チャットを飛ばしてきた。
「元気にしてたかー?」
「身体だけは元気だよ!」
「なんだよ身体だけってwww」
「色々あってねー。
マメはサイから何も聞いてないの?」
「・・・サイ?」
しばらく沈黙が続いた後
「・・・何も聞いてないよ」
これだけ言うのが精一杯のマメだった。
トピック検索 |