主 2014-07-16 14:28:16 |
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…っ、俺は…!
(己にとって人を憎む事が、どれほど難しい事か。自分自身がどれだけ忌み嫌われても、己の憧れそのものであった兄の顔が、ふっと頭を過って。果たして己は何が気に食わないのか。幼少の頃敵わなかったあの奴隷達。今部屋の前に立っているであろう、己のみを愛する筈の妻が唯一心を開く相手。自分より優れ秀でた者が、気に食わない筈、なのに。「俺は、お前の事を―…!」尊敬、僻み、妬み。込み上げてくる言葉は、己がどれだけ弱く、愚かなのかを示しているようで、それ以上言葉を紡げずに)
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