柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>柊
(日がまだ昇る前、肌寒さと心落ち着くぬくもりで目を覚ます。まだぼんやりとする意識の中、昨日まで隣に居たはずの愛しい存在が己の布団の中に居ることに気がつくと、密かに微笑みその艶やかな白髪を撫でて「…どうした。さびしいのか?」口元を動かす程度の小さな声で問いかけ、その額に口付ける。その時、白い頬に微かな涙の跡を見つけるとまた一人で心を痛めているのだろうかと胸がチクリと痛み、彼の痛みを全て受けとめて上げられたらとそっと冷たい頬を撫でて
(相手を起こさぬようそっと布団から出ると肌寒さは一層強くなる。少し厚手の布団を箪笥から取り出し相手にかけてやると、深緑色の羽織をはおって縁側に出る。そして昨日とは全く違う赤や黄色に色付く庭に目を奪われ息をするのも忘れ見惚れれば、素足のまま土を踏み紅いモミジに吸い込まれるように足を進め、その木に肩を預け寄り掛かるとそっと目を閉じて
(其の頃、目を閉じる相手の元に何かを咥えたシラタマがリンと鈴を鳴らしやってくる。横になって寝る相手の顔の前あたりにちょこんと座ると前足で相手の頬をフニフニした後咥えている物、松ぼっくりをぐいっと頬に押し付け、最後は長いしっぽで相手の首筋をするりと撫で上げ、ミャアと一声鳴いて
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