主 2014-06-09 21:58:16 |
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>五十川様
勿体なきお言葉…。
(相手の心情を深く知らず失礼をしたかと思ったが、意外にも好感を持てる言葉に安心し、謙遜の言葉を軽く述べるだけ留め。白湯の入った盆を置いた後、相手の右斜め後ろに正座して、着物の裾を僅かに広げ、話しに耳を傾ける。十分と言われれば何処か嬉しそうに小さく笑むと白湯の入った杯を片手に持ち少し傾けては月を映して「水と火とは陰と陽、そして女と男。相まって生まれしが白湯というもの。…世とは傾きが多き故、此程までに兼ね合う物はこなたの心に平安を来すだろうか。…最も、此度は私が喉の潤いを求めたまでのこと」杯の月を見ながら静かで平穏な口調で述べると最後に相手の隠れていない瞳と目を合わせゆるり笑んで、御客が先にと口には付けず盆に戻して。「さすれば、こなたの好いている物の話を聞かせてはくれぬだろうか」唐突に話を切り出すのは何が相手にとって癒しか考えた時、好きな物を語る時は誰しも高揚するものだと聞いたことがあったからで。淡く透き通るような茶髪の奥にある双眸を捉えようと僅かばかり首を傾け問うてみて
>雪洞
…心配無用。力はあると自負している故。それ上、こなたを抱きかかえるは稀な事、たまさか楽しきことになるやも知れぬ。
(不安げな相手の白い頬を優しく包み、気付かぬ程に微笑むとその儚くも華奢な体を重みを感じさせぬ風に抱きかかえ、近くの空き部屋に入っていき。そのまま部屋の奥へ進めば相手の足に負担が掛からぬよう布団のように大きい座布団の上に座らせて、冷えぬようにと白い布に金と桃色の絹糸で桜があしらった膝掛けをふわりと相手の細い足に掛けてやり。「さて、如何にして楽しきことを探そうか。…こなたの友は何時から一緒なのだ?」相手から少し離れた2寸ばかり段下の座敷に正座をした後、両足を揃えて僅かに崩す。いざ何を話すか考えているとフと相手の持つ神妙な人形に目が行き、いつのまに手にしたのかと相手の顔は見ずに桜の帯留めあたりに視線をやりながら掴み所のない静かな声色で問うて
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