主 2014-06-09 21:58:16 |
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>雪洞
なるほど、床を叩くはそれ故だったのか。好きな音を自ら奏でるとは粋なことをする。
では、こなたも私も生きる音を成しているのだな
(桜木が風に揺れ音を成すような風雅な声色に耳を傾けつつ、先刻の相手の仕草の訳に合点がいくと小さく頷く。そして同じ空間に居るだけで生の音に加わっているのではと、どこか嬉しそうに微笑して。「楽しきこと…。こなたと私の心は異なる故、楽しいと感ずることも相違なるもの。その答えは難しい。こなたに余暇があるのなら共に楽しきことを探しては見ぬか?」相手の問いにボツリと一言復唱しては、小窓から見える月を眺めて静かな声色で小難しげにゆっくりと語って。まだ良く素性の知らぬ相手は己以上に感情が乏しく表情と感ずることにズレが生じることもある。そもそも楽しいとは何か理解しているのかも危ぶまれると思いつつ、そんなことは度合いが違うだけで誰しも同じかと相手に視線を戻すと御客が来るまで話そうと誘ってみて「ここで長居しては、御主様に廊下に根を張る気かと怒られよう。…こなたに触れることを許してくれるだろうか」御客の声と足音が近付くのを感ずれば月人二人が廊下のど真ん中に居ては邪魔にしかならないと、やはり落ち着きある声で述べ、優しい眼差しを相手に向けると自由のきかぬ体を抱きかかえることの許しを請うて
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