主 2014-06-09 21:58:16 |
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>五十川様
…こなたの御身に触れられても、心に触れゆる者はそういない。此方に溺れた者の大半は触れていないのと同じになるだろうか。努めさせて頂きたく、こなたの力添えと共に。
(実際、疎ましいほどに相手の上辺に触れようと近付く者は後を絶たないだろうが、その声が相手の心に届いていないのなら避ける必要もないくらい空虚なものなのではないかと。相手の心の偉大さを感じて言った言葉だが、少々心理的な強引な考えと自覚している故、落ちつきある口調の中には僅かに疑問の色が混じり。挑発の様な言葉には再び頭を下げ相手の力あってこその癒しなのだと静かに言い、控えめに相手の手を己の手が下手になるように取れば、ゆっくりと自室に案内して座敷に通す。次いで絹糸で刺繍された大きめの座布団が敷かれる場所に座らせれば月が見えるよう障子を開け、一度飲み物を取りに退席すると数刻しないうちに白湯を盆に乗せて持ってきて。「どうぞ。……こなたは酒のほうが良かったか?」御客には失礼とも言える白湯を何の気なしに綺麗な金粉があしらわれた器で差し出す。お勧めかは己でも定かではないが普通は嫌悪感を抱くだろうと念のため確認してみて
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