(ML)　或る化け猫の恋物語　

■或る化け猫の恋物語

隠し通せぬなら全て失って良い
そう契って人と恋に落ちた化け猫の話

恋人を亡くしたきみに笑顔を取り戻したくて
僕は彼に化けて生きると満月に誓う

泣き崩れたきみを強く抱きしめ言った
もう一人にしないよ
ああ、神様　僕は残酷だ

記憶喪失を演じてさ　でも其の笑顔の為なら
どんな嘘も罪も許される　そんな気さえしてた

ある夜　きみは切り出した
ねえ、貴方の瞳は彼とは違ってるわ
＿だけど構わないの

震えだした僕をきみは抱きしめ言った
もう一人にしないで
ああ、神様　此が罰ですね

化けの皮が剥がれ人の言葉も失って
逃げる僕の背中にきみは言った
ありがとう、と

ああ、罪深い僕を きみよどうか
憎んでおくれ