【NL】男と狐と耳と尻尾【非募集】

お、おう…まあ、いいけど(申し訳なさそうに謝罪をする相手を見て、少しキツく言い過ぎただろうかと反省すれば少し態度を和らげて、急な相手の暴露に一瞬言葉を失いポカンとした表情を浮かべては｢…狐ってあの山に居る野生動物の狐…？｣まさか聞き違いではないだろうかと一応確かめるように尋ね

…ありがとうございます(態度を和らげて貰えれば安堵の息を吐いて礼を述べ。パンの最後の一口を食べ終えれば小さく「ご馳走様でした」と手を合わせ、己の言葉を信じれない様子の相手に苦笑を漏らせば確かめるように尋ねてくる相手に「はい、その狐です。…無理に信じろとは言いません」と眉を下げ頼りなげに微笑んで)

…ほら、これも持ってけ、パン一個だけじゃ多分大して保たないだろ(パンを食べ終えて頭を下げる相手へと再び鞄を漁って中から箱入りのビスケットを餞別のつもりで差し出して、相手の正体を聞いてまさかとは思いつつも自身の興味も満たす意味で｢信じてもいいけどさ、それ、触ってみていいか？｣と耳を指差し尋ね

えっ、良いんですか…？(ビスケットを差し出されれば戸惑いながら相手を見やり。しかし相手の言う事もまた事実で、パンだけではまた動けなくなってしまうかもしれないと思えば「ありがとうございます」とおずおずと受け取って。耳を触ってみていいかと尋ねられれば少し迷うも恩人相手だしと「良いですよ」と頷いて)

そこらで野垂れ死にされても寝覚めが悪いからな(素直にお礼を言われて照れくさくなったのか相手から視線を外したまま頬をポリポリと掻いて、まさか人間が怖いという相手から許可が貰えるとは思ってもみなかったため｢いいのか？本当に触るぞ｣と念を押すように尋ねながら手をゆっくり伸ばして

…気を付けます(寝覚めが悪いと言われれば苦笑いを浮かべながら前記を述べ、視線を外す相手を首を傾げては不思議そうに見つめて。念を押すように確認されれば「いいですよ。あなたは私の恩人ですから」とにこりと微笑んでは相手が触り易いよう少しだけ頭を傾けて)

そうか、じゃあ遠慮なく(こちらへ頭を傾けて触りやすいようにしてくれる相手の頭へと手を触れて、そのまま撫でるように手を横にずらして耳を触り｢温かいな…｣すると触った耳の感触は確かに生き物のそれで、あまりのさわり心地の良さに無心に撫で回していて

あ、あの…、くすぐったい、です(相手の手が己の耳に触れれば一瞬耳をピクリと振るわせて。温かいと言われればはにかむようにふふ、と微笑んで、撫で回されればくすぐったそうな表情を見せては耳をピクピクと動かして前記を訴えて)
(/早いですが今日はこれで落ちますね。お相手感謝です！)

ん？ああ、悪いな(くすぐったそうにしている相手を見ては撫でる手を止めてなにやら考え込むと｢うん、まあ、一応お前が狐ってのは信じるわ｣実際に動くところを見たばかりかその手で触れたのだから流石に非現実的でも信じない訳にはいかず


(/わかりました

いえ…、そんなに触り心地良かったですか？(沢山撫でられた自分の耳に手を当てながら問い掛けては、相手の信じるという言葉を聞いて嬉しそうに微笑みパタパタと尻尾を振りながら「信じてくださりありがとうございます」と礼を述べて)

まあ…それなりに(素直に気持ちよかったと答えるのも癪で言葉を濁して答えて、相手が狐ならば人間をここまで怖がるのも頷けるなと考えて｢で、なんでわざわざ人間が沢山居る町中に？｣色々と気になることはあるが一番不可解なことを相手に尋ねて

そうですか。それは良かったです(それなりとの評価でも嬉しかったようで、ふふっと微笑んでは前記を述べて。何故町中に降りて来たのかと尋ねられれば「私、山の中で育ったので1度でいいから山を降りてみたかったんです」と胸に手を当てながら瞳を輝かせて)

そこ、喜ぶとこなのか…(満点とは言えない評価にも嬉しそうに微笑む相手に苦笑を浮かべて、町へとやってきた理由を聞けば｢それで降りてきたはいいものの、人が怖くて身動き出来なくなったとかそんなとこか？｣と推測をしては問いかけてみて

…おかしいですか？(苦笑を浮かべる相手を見ればきょとんとした表情を見せて首を傾げ。相手に問い掛けられれば「はい…。あとお腹が空いて動けなくなってしまいまして…」とお腹に手を当てながら恥ずかしそうに言い。「でも、あなたのお陰で助かりました。ありがとうございます」と微笑めばぺこりとお辞儀をして礼を述べて)

いや、別にお前がいいならいいけど…(本人が満足しているのならこちらから何か言うのは野暮というものだろう。そんなことを考えていれば、再び笑顔を向けられて、お礼を言われては｢ちくしょう、ちょっと可愛いな…｣なんてぼそりと呟いて

はい、いいんです(相手の言葉に未だきょとんとした表情を見せるも、相手の言葉を聞き終えればにこっと笑ってこくりと頷いて。相手が呟く声を聞き損ねれば耳をぴくりと動かしながら「今何て言ったんですか？」と不思議そうに相手をじっと見つめて）

な、なんでもねーよ！(思っていたことがついつい口に出てしまい、しまったなと思ったが既に後の祭りで、しかし幸いにも相手はしっかり聞き取れていないようで追求を受けては恥ずかしいやら照れくさいやらでついつい荒い口調で受け答えしてしまい、小さく咳払いをしては｢で？お前、これからどうすんの？山に帰る訳？｣と話を逸らして

そ、そうですか…(荒い口調で返されればびくりと身を竦ませては耳を寝かせながらおどおどと少し怯えた目で相手を見やり。話を逸らされた事に気付かなければ相手の問い掛けに「ええと、山に帰ろうとも思うんですけど…その前にあなたに恩返しさせて頂けませんか？」とちらりと相手を見ながら遠慮がちに答えて)

悪い…大きな声出したりして(相手が怯えているのがわかれば自分の非は素直に認めて謝罪をして、恩返しという単語を聞けば｢そうは言ってもさ、お前に何か出来る訳？｣と口にして、相手はどんなに人間らしく振る舞っていてもあくまでも狐なのだ、そんな彼女に何か出来るとは思えなくて尋ねて

…いえ、怖がりですみません(謝罪を受ければ申し訳無さそうに此方も謝って。何か出来る訳？と尋ねられれば言葉に詰まるものの、「身の回りのお世話とか、…ダメですよね」提案はしてみるものの良い案は思い浮かばずにしょんぼりと項垂れて。それでも顔を上げれば「何か私に出来そうな事はありませんか？」と勇気を振り絞って問うてみて)

(/落ちますね)