零零機工斗 2013-11-15 09:41:13 |
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勇輝さんに冒頭部分をメッセージで送りました。
ルビとかもあるのでコピペはできればメッセージの方からでお願いします。
↓(以下が本文)↓
藍神鈴蘭は酷く困惑していた。
無理もないだろう。
何せ、自殺しようと高層ビルの屋上から飛び降りたらいつの間にか公園の砂場に受け身で着地しているのだから。
普通、そんな高さから飛び降りたらいくら砂場だろうと、受け身を取ろうと、着地しても|無傷《・・》というのはありえない。
だけど実際に起きてしまっている。
何かが藍神の落下中の慣性を消したのだろうか、と本人は推測を立てるも、その|何か《・・》がわからない。
強風が吹いたとしても、直角で上に吹く風はない。
何かに当たったとすれば大怪我だ。
しかし、藍神は無傷である。
「何がなにやら……」
仕方がないので、彼女はそれを|割り切る《・・・・》ことにした。
現時点で真実に繋げられるような要素はどこにもないので、いくら考えても仕方がない、とあっさり諦めた。
何が一番大事かを常に意識して、最善の行動を起こせるのは完璧超人の性なのだろう。
本人からすれば、呪いとも言えるが。
因みに、何が一番大事なのかは、勿論自殺だ。
だが、公園の外に出てふと視界に入った文字が藍神の思考を止めた。
『紅陽町』
そんな町の名前は、藍神は知らなかった。
完璧超人ならではの完全記憶力でも、そんな町の名前は日本のどこにもない。
公園や駅があるくらいなのだから、それなりに技術は発達している以上は町なのだろう。
田舎の無名な町なわけがない。
「ここは……どこ……」
混乱している状態で、まさかパラレルワールドだとは思いもしなかっただろう藍神の掠れる様な声は、誰の耳にも届くことはなかった。
***
学校の下校時間を告げるチャイムが鳴ってから数分経ち、町を帰宅部の学生達が歩く午後。
一人と一神と一異世界人は、今日も異世界人保護の任務のためにパトロールをしていた。
言わずもがな、達也、キクト、鳳楽の三人だ。
パトロールといっても、キクトの食べ歩きが5割ほどなのは余談である。
「なあ駄神」
「……なにかな」
もはや駄神と呼ばれることになれてしまったらしいキクトは、自分を呼んだ達也へ振り返る。
「確か、神特有のご都合主義的な力を使う前に接触した俺と手を組んでるんだったよな」
「ええ」
「それってなんだ?」
「記憶に関与する力ですね。異世界人がこの世界の人と会話をしても、この世界の人はすぐにその存在を忘れてしまうのです」
今まで疑問に感じていたが、なんとなく言い出せなかったことを恐る恐る口にする達也。
「なんで俺や宵星さんの記憶を消さなかったんだ?」
「それは……」
沈黙するキクトを見て、達也は確信を持つ。
「仮にカナチが幼いから宵星さんが必要だとしても、すぐにギイルに還せばいい。つまり、俺達の協力には理由があるんだな?」
「うぐっ」
『図星です』と言ってるような反応をするキクト。
鳳楽は面白そうにニヤニヤしながら二人を観察している。
「いや、あのですね、宵星さんの場合は本当に必要です、一人一人送り還すとこの世界に負担がかかるので全員集めて一気に管理会に送り、そこから別々に送るのですよ」
「なるほど。で、俺は?」
「……こっちの方が都合がいいんです」
まともな返答になってすらいない誤魔化しだった。
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